低用量ピルの飲み忘れは何時間まで大丈夫？メディカルポスト

低用量ピルの効果を最大限に発揮するためには、毎日決まった時間での継続的な服用が必要です。しかし、日々の生活の中で服用時間を過ぎてしまったり、出先に持っていき忘れたりすることは誰にでも起こり得ます。

結論からお伝えすると、飲み忘れまでの服用が正しく行われており、かつ、いつもの服用時間から24時間以内の飲み忘れであれば、低用量ピルの効果が損なわれることはほぼありません。

この記事では、低用量ピルの飲み忘れについて、具体的な時間帯別の対処法をご紹介します。トラブル時でも低用量ピルを正しく服用し、ご自分の身体を守りましょう。

低用量ピルの飲み忘れ｜時間別対処法

くわしい状況別の対処法と避妊率については、ご自身に当てはまる項目を以下からお選びください。

1日（1錠）の飲み忘れ

飲み忘れに気付いた時点で1錠を服用し、その後の服用はいつも通りに行ってください。1日のうちに計2錠飲むことになっても問題ありません。

飲み忘れまでの服用が正しく行われていれば、避妊効果は持続しているため、避妊に失敗した場合も緊緊急避妊薬の検討は不要です。

2日（2錠）の飲み忘れ

飲み忘れに気付いた時点で2錠を服用し、その後の服用はいつも通りに行ってください。

避妊効果は弱まるため、実薬を7日間連続服用するまでは、性行為を避け、難しい場合はコンドームなどの避妊具を使用しましょう。避妊に失敗した場合は、アフターピルの検討が必要です。

特に、飲み忘れたのが第一週目の場合は、妊娠確率がほかの週と比べて高いといえます。注意しましょう。

3日（3錠）の飲み忘れ

飲み忘れに気付いた時点で1錠を服用し、その後は1日1錠を服用し続けてください。ホルモンが含有された実薬を7錠飲むまでは避妊効果が低下しているため、性行為の際にはコンドームを併用してください。避妊に失敗した場合は、アフターピルの検討が必要です。

3日以上実薬を飲んでいない期間が続くと、月経が起こる場合があります。出血があった場合は、そのシートの服用を中断し、次の月経を迎えてから新しいシートを服用してください。新しいシートはオンライン診療を利用すると手軽に購入できます。

ピルを飲み忘れた場合の妊娠確率は？

飲み忘れや、服用時間の大幅なズレが生じた場合、低用量ピル服用中の妊娠確率は0.3％から8％に上昇します。24時間を超えた瞬間に妊娠確率が8%まで跳ね上がるわけでなく、徐々に確率が上昇していきます。

妊娠確率8％は、一般的なコンドームの使用による妊娠確率の15％と比較すると少ないといえますが、妊娠する可能性は少なからずあります。可能な限り飲み忘れがないようにしましょう。

万が一、性行為後に飲み忘れに気付いた場合は、アフターピルで緊急避妊を行うことをおすすめします。

低用量ピルの偽薬を飲み忘れたら避妊効果は下がる？

低用量ピルの偽薬は、ホルモンが含有されていない錠剤です。毎日の服用を習慣づけるためにあるので、飲み忘れても問題ありません。休薬期間のズレを防ぐため、飲み忘れた偽薬を捨てて、次の日から通常通りの服用を続けてください。避妊効果は継続するため、避妊に失敗した際も緊急避妊薬は必要ありません。

低用量ピル飲み忘れの防止方法おすすめ５選

1. 毎日の習慣とセットにする
2. ピル専用のアプリを利用する
3. スマホのアラームやリマインダー機能を使う
4. 4シートに細かい日付を書き込む
5. 忘れてもすぐに飲めるように持ち歩く

低用量ピルは、継続的な服用で高い効果を発揮する経口避妊薬です。自分の生活リズムに合った方法で、無理なく服用を続けましょう。

1.毎日の習慣とセットにする

生活リズムがほぼ一定の方は、毎日の習慣とセットにすることで飲み忘れを防げます。例えば、朝の洗顔やメイク時、食事や歯磨き、就寝前などです。動作を行う場所や物と一緒にシートを置いておくことで、飲み忘れを防げます。

2.ピル専用のアプリを利用する

低用量ピルを服用する女性が増え、最近ではピル専用のスマートフォンアプリも開発されています。設定した時刻に服用の通知が届くほか、体調やメンタルの変化などを記録できるなど、便利な機能がたくさんあります。

3.スマホのアラームやリマインダー機能を使う

専用のアプリを入れなくても、元々スマートフォンに搭載されているアラームやカレンダーアプリを使用すれば、特定の時間に通知が届きます。シンプルな通知が欲しい方におすすめの方法といえるでしょう。

4.シートに細かい日付を書き込む

低用量ピルの種類によっては、1～28（21錠の場合は21）の番号が記載されてあるシートもありますが、飲み始めが必ず1日になるとは限らないため、今日の分を服用したかどうかが分からなく方は少なくありません。シートに細かい日にちや曜日を記載しておくと、どこまで飲んだのかが一目で分かるようになり、飲み忘れを防ぐことができます。

5.忘れてもすぐに飲めるように持ち歩く

持ち歩く習慣を付けることで、外出先で飲み忘れに気付いても大きな時間のズレなく低用量ピルの服用が可能です。低用量ピルのシートを手帳のカバーに挟んだり、化粧ポーチに入れたりしている方もいらっしゃるほか、最近は低用量ピル専用のケースなども販売されています。