婦人科検診を受ける必要性
婦人科検診は、女性特有の病気を発見するために行う検診です。女性のための健康診断だと思っていただくとよいでしょう。まずは、婦人科検診を受ける目的や、定期的に受けることの重要性についてご説明します。
ページの監修医師
池袋アイリス婦人科クリニック
加村和雄(かむらかずお)院長
1998年埼玉医科大学医学部卒業。病院やクリニックにて、日本産科婦人科学会専門医として研鑽を重ね、池袋アイリス婦人科クリニックを開院。
目次
婦人科検診とは?
池袋アイリス婦人科クリニックで行う婦人科検診は乳がん検診を除く、子宮頸がん検診・子宮体がん検査・超音波検査を指します。婦人科検診は、生理不順や不正出血などの、女性特有の症状を検査する、定期的にお受けいただきたい検診です。生理不順や不正出血などは、多くの女性がお悩みの症状ですが、ほとんどの場合「いつものこと」として見過ごされてしまいがちです。しかし、これらの症状には、病気が潜んでいる可能性があります。このような、見落としがちな婦人科系の疾患を早期発見するためにも、婦人科検診は、定期的に受診することが推奨されています。
そして、婦人科検診というと不安に感じる方が多いのが「内診」です。内診は、医師が手袋をつけて触診することで子宮や卵巣の状態を調べます。内診に際して、痛いのかな?といった不安や怖いなと感じられる方もいますが、内診時に痛みを感じることはほとんどないといえるでしょう。そのため、リラックスして受けていただければ、痛みの心配はほとんどいりません。
婦人科検診は何歳から受けるべき?
婦人科検診は、何歳から受けるべきといった、決まりごとはありません。しかし、婦人科系の疾患は、自覚症状がなく、ご自分で異常に気付きにくいといった特徴があります。そのため、気付いたときには病状が進行していた、といったことにもなりかねません。このような事態を防ぐためにも、婦人科検診は、症状が出たから受けるのではなく、年に一度の定期検診として、受診することをおすすめします。
なお、厚生労働省は20歳以上の女性に対し、がんの早期発見のために、2年に一度の子宮頸がん検査を推奨しています。そのため、20歳を超えたら、ご自身の健康状態を知るためにも、定期的に婦人科検診を受けるとよいでしょう。
婦人科検診とブライダルチェックの違い
「婦人科検診とブライダルチェックは何が違うの?」このような疑問をお持ちの方は、多いのではないでしょうか。婦人科検診とブライダルチェックの大きな違いは、その検査内容です。
婦人科検診では、子宮頸がんや子宮体がんを発症していないか、子宮や卵巣の状態に問題はないかなどを調べます。婦人科検診は健康診断のように、定期的にお受けいただくことが推奨される検診です。これに対し、ブライダルチェックでは、妊娠・出産に影響のある病気がないかを検査します。例えば、子宮や卵巣の検査だけでなく、放置していると不妊症や早産の原因になるような、性感染症やその他の病気の検査も行います。ブライダルチェックは、妊娠を希望する方が妊娠・出産をしても差し支えない状態であるかを確認するために受ける検査です。
婦人科検診は定期的な健康診断として、ブライダルチェックは結婚前や妊娠を希望する場合に受ける検査として、捉えればよいでしょう。もちろん、婦人科検診の代わりに、ブライダルチェックを定期的に受診し、子宮や卵巣の状態、性感染症の感染がないかを確認するのもおすすめです。ブライダルチェックは、ブライダルという名前がついてはいますが、結婚していなくても、多くの方が受けられているため、ご自身の健康状態を知るためにも、一度受けてみられることをおすすめします。
「20歳以上の女性へ」2年に1回推奨される検査
20歳以上の全ての女性に、お受けいただきたい検査があります。それが、子宮頸がん検査とHPV遺伝子検査です。当クリニックでは、どちらの検査も2年に1回の頻度で推奨しています。
子宮頸がん検査
子宮頸がん検査は、子宮頸部の細胞を採取して行う検査で、子宮頸がんの発見が可能です。子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスで、このウイルスは性行為によって感染します。このことから、20歳以上の性行為を経験したことのある女性が対象です。子宮頸がんは、他のがんと比べても進行のスピードが遅いため、2年に1回の検査を日本医師会が推奨しています。もちろん、不安のある方や早期発見を目指す方は、毎年受けていただいても問題はありません。
HPV遺伝子検査
HPV遺伝子検査は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の中でも“高リスク型HPV”といわれる、子宮頸がんの原因となるウイルスに感染しているかが分かる検査です。HPVは、あらゆる性行為によって感染経路とし、コンドームを使用しても、予防効果が見込めません。HPV感染は、非常にありふれたウイルスで、性行為を経験したほとんどの女性が感染するとされています。HPV遺伝子検査と子宮頸がん検査は、同時に受けられる方が多く、2年に1回の検査がおすすめです。
池袋アイリス婦人科クリニックで行う婦人科検診の検査項目一覧
池袋アイリス婦人科クリニックでお受けいただける、婦人科検診の検査項目について、くわしくご説明します。
子宮頸がん検査 |
子宮頸がんは、子宮の入り口(頸部)にできるがんです。HPV(ヒトパピローマウィルス)への感染によって、子宮頸がんを発症し、性交渉の経験がある女性の80%程度は、一生のうちに一度はこのウイルスに感染するとされています。HPVに感染してもほとんどの場合、症状が現れずにウイルスは消失しますが、感染が長期間続くと、子宮頸がんを発症するリスクが高まるのです。 子宮頸がんは、初期には自覚症状がほとんどありません。そのため、定期的な検査を受け、早期発見することが重要です。若くても発症する可能性があることから、20〜39歳の女性のがんでは、子宮頸がんがもっとも多いとされています。そのため、無症状であっても、1年に一度の頻度で、検査を受けることが推奨されているのです。 子宮頸がん検査は、専用の綿棒やブラシなどの器具を腟に挿入し、子宮の入り口の細胞を摂取し、採取した細胞を顕微鏡で確認して、がん細胞になりかけていないかを調べます。なお、子宮頸がん検査は、性交渉の経験がある女性のみが対象となっています。 |
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子宮体がん検査 |
子宮体がんは、子宮の奥(子宮体部)のほうにできるがんです。女性ホルモン(エストロゲン)が発症に関わっており、生理不順(無排卵性月経周期)や肥満なども、発症リスクを高めるとされています。自覚症状として不正出血があり、40歳代後半〜60歳代の患者様がもっとも多いがんです。 子宮体がん検査は、子宮の内部まで細い管状や細いスプーンのような器具を挿入し、内面をこすって細胞を採取します。そして、採取した細胞をスライドガラスに移し、わかりやすく染色したうえで、顕微鏡で確認し診断するのです。この検査方法によって、がん細胞や、がん細胞になりかけているものがないかを確認します。子宮体がん検査は、40歳以上の場合、1〜2年に一度の頻度で受けるようにしましょう。また、閉経後に不正出血が見られた場合は、すぐに検査を受けるようにすることもポイントです。 |
超音波検査(経腟超音波検査) |
超音波検査は、卵巣や子宮に異常がないかを確認する検査です。経腟エコー検査とも呼ばれます。プローブと呼ばれる棒状の器具を腟内に挿入し、卵巣や子宮の形・大きさ・位置・形態を確認し、腫瘍の有無を判断します。超音波検査は、婦人科検診の基本となる検査のため、20歳を過ぎたら1年に一度は受けるようにしましょう。 |
HPV遺伝子検査 |
HPV遺伝子検査は、綿棒やブラシのような検査器具で、子宮頸部をこすり、細胞を採取して行う検査です。採取した細胞が、高リスク型HPVに感染してないか調べます。感染を示す結果は「陽性」、感染してない場合は「陰性」となります。HPVは、自己免疫によって、自然に消滅する可能性があるウイルスなため、一度「陽性」になっても、再度検査を受けると「陰性」となるケースがあります。そのため、2年に1回は検査を受けられるといいでしょう。 |
当院の婦人科検診の費用について
子宮頸がん検診 | 5,500円 |
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子宮体がん検診 | 6,600円 |
超音波検査 | 5,500円 |
HPV遺伝子検査 | 8,800円 |
HPV遺伝子検査 セルフチェックキット |
8,800円 他検査と同時購入で5,000円 |
子宮頸がん+HPV遺伝子検査 ※初診料・再診料込み |
13,000円 |
婦人科検診 (子宮頸がん・超音波検査) ※初診料・再診料込み |
11,000円 |
※検査にかかる料金は全て税込です。
婦人科検診の注意点
婦人科検診を受けるにあたって、注意したい点について、ご説明します。
生理中の検診は?
患者様のご都合によって、生理中に検診を受けたいと思われることもあるかもしれません。しかし、子宮頸がん検査や子宮体がん検査は、腟内に器具を挿入し、細胞を採取して検査を行うため、生理中だと細胞の採取が十分にできない可能性があります。そのため、生理中の検診は避けていただくよう、お願いしています。
婦人科検診は痛みが伴う検査?
婦人科検診の痛みの感じ方には、個人差があります。子宮頸がん検査は、子宮の入り口付近の細胞を採取するため、痛みを感じることはほとんどありません。ただし、検査用の器具の挿入時や細胞の採取時に違和感を覚えることはあります。また、超音波検査は、親指程の大きさの検査器具を腟に挿入しますが、検査用のゼリーを塗って挿入するため、痛みはほとんど感じません。
しかし、子宮体がん検査は、子宮の奥の細胞を採取するため、痛みを感じることがあります。リラックスしていただくことが、痛みを和らげる1番のポイントですが、ご不安な場合は、ご遠慮なく医師や看護師にお申し付けください。安心して検査をお受けいただけるよう、お身体の位置や検査をお受けいただく方法について、ご説明いたします。
「内診台が怖い」方でも大丈夫?
婦人科検診を初めて受けられる方の中で、特に多いのが「内診台(検診台)が怖い」というお声です。当院では、初めて婦人科検診を受けられる方や内診台が怖い方のご不安をできるだけ取り除けるように、さまざまな配慮をしております。
例えば、カーテンで仕切りを設け、患者様から医師の顔が見えないよう、プライバシーに配慮したり、バスタオルを用いて露出を抑えたり、適切な声がけにより恐怖心に寄り添い、安心して検査をお受けいただけるような体制を整えているのです。そのため、初めての婦人科検診でご不安な方も、どうぞ安心してご相談ください。
婦人科検診のよくあるご質問
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婦人科検診の内診はどんなことをしますか?
婦人科検診の内診は、医師が手袋をはめ、腟内に指を入れて検査を行います。子宮や卵巣の状態を確かめ、腹部にしこりなどがないか調べることが可能です。大きな痛みを感じることはないため、過度なご心配は必要ありません。
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婦人科検診は痛いですか?
婦人科検診の際の痛みは、個人差が大きいです。子宮頸がん検査や超音波検査は、痛みを感じることはほとんどありません。子宮体がん検査のみ、子宮の奥の細胞を採取する際に、少し痛みを感じる可能性があります。痛みがご不安な方は、医師や看護師にお申し出ください。痛みを感じにくい体勢や検査方法など、できるだけ患者様の痛みを取り除ける方法について、ご説明いたします。池袋アイリス婦人科クリニックでは、検診時の痛みがご不安な患者様に安心して受診いただけるよう、さまざまな配慮をしつつ検診・診察を行っております。お気軽にご相談ください。
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婦人科検診はどのような検査内容ですか?
池袋アイリス婦人科クリニックの婦人科検診の内容は、子宮頸がん検査・子宮体がん検査・超音波検査の3種類です。子宮頸がん検査と子宮体がん検査は、細胞を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を確認します。超音波検査は、親指サイズの器具を腟に挿入し、子宮や卵巣の異常を確認します。婦人科検診についてご不明なことがありましたら、お気軽に当院にお問い合わせください。
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婦人科検診を受けるときはどんな服装がいいですか?
婦人科検診を受ける際の服装に、決まりはありませんが、脱ぎ履きしやすい服装がよいでしょう。
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婦人科検診で出血することはありますか?
婦人科検診の検査内容によっては、ごく少量の出血を伴う可能性があります。子宮体がん検査は、子宮の奥の細胞を採取するため、出血してしまうことが多い検査です。ただし、検査時の出血は一時的なもののため、過度なご心配はいりません。検査当日のお持ち物として、生理用ナプキンがあると安心です。
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婦人科検診の前日の注意事項はありますか?
婦人科検診の前日は、性行為を避けてください。性行為によって子宮や腟に傷が付く可能性があり、そこから感染を起こさないためにお願いしております。
INFORMATION
- 2024/12/06
- 日曜日・月曜日は休診日となります。 ※12月27日(金)は休診日となります。 12/29(日)・12/30(月)・1/5(日)・1/19(日)・1/26(日)は診療を行っております。